西洋医学:ギリシャ医学やエジプト医学など
皇漢医学(日本)、チベット医学など
【中国医学(中医学)】
『身体は唯一不可分』、『心身一如』、『身土不二』。
つまり心と体、環境は切り離すことが出来ないという考えの医療です。
天人合一という思想が古代から中国では哲学概念としてあり ますが、自然界もそこに生きる動物も人も、同じ法則、
原理に一致します。
陰陽論や五行論、五臓、基本物質(気、血、津(液))、経絡・経穴*を考え治療を行っていきます。
中医学(東洋医学)三大療法として、中薬(漢方)、鍼灸、推拿・気功があげられます。
*経穴:身体各所にある診断、治療に用いる気を発するポイント
*経絡:気の流れるルート
など
【五行学説とは】
森羅万象すべてを「木・火・土・金・水」の5元素に分類した考えです。
この5つが持つ性質や特徴に、
自然に存在するすべてのものを当てはめて分類しています。
今から数千年前に書かれた中国最古の医学書である『黄帝内経』でも 、五行学説が基本的な考え方のひとつとして診断や治療に生かされてきました。
五行の「行」という字には、巡るという意味と秩序という意味があります。
木・火・土・金・水それぞれが自然に助け合い、 また、抑制しながらバランスをとっています。
このバランスが崩れると自然界では天災・災害、生体だと病気 につながります。
中医学(東洋医学)では、人を大宇宙である自然に対応した小宇宙と捉え、体が一つの統一された生体で人・動物と外界、
自然環境と密接な関係があります。
怒:怒り過ぎると肝を傷める | 肝が弱まると怒りやすくなる |
喜:喜び過ぎると心神を傷める⇒不眠、認知症 | 心が弱まると喜ぶ |
思:思慮し過ぎると脾を傷める | 脾が弱まると思慮深くなる |
悲:悲しみが続くと肺を傷める | 肺が弱まると悲しみやすくなる |
恐:驚・恐とも過ぎると腎を傷める | 腎が弱まると恐れやすくなる |
【気とは】生命、万物を構成する基本物質。
先天の気:
生命誕生時に父母から先天の気を命門(左右腎臓の間)に受けます。
後天の気:
先天の気の減少するのを、後天の気(飲食物、空気の気)で補います。
【気の作用】
血液や水分を体に巡らす(推動作用)
外邪(風、寒、暑、湿、燥、火)の侵入を防ぐ(防衛作用)
体液(汗、水、血液など)が漏れ出るのを防ぐ(固摂作用)
内臓や体を温る(温煦作用)
物質を変化させて新たな物質を生成(気化作用)
【経絡経穴の発見】
・胃が痛い時に胃の辺りを撫で温めたら治った。
・足を揉んでいたら胃痛が治った。
⇒経穴、経絡を見つけ現在の中医学(東洋医学)で使われています。
【 鍼治療の発見】
古代腰痛持ちの狩人がある時、狩猟の際に大けがをして大出血。
その後腰痛は治り、以後石の針を用いて、身体に刺したり、切ったりして治療 を行うようになりました。
【 灸治療の発見】
古代今の湘南省に体の弱い村人がいて、風邪をひいてはすぐに喘息、肺炎に…
ある時、炊事をしていて火傷をしてしまいました。
薬草を使って治療し、火傷が治ったら体が丈夫になり 体の一部を火傷させるこ とで免疫が向上する事を発見。
ヨモギの葉の裏の毛を集めて燃やしたら心地よい熱と判明。これが灸です。
(動物は熱い思いをしたら嫌いになってしまうので心地よい温度で行います)
『七年の病に三年の艾を求む』ということわざがありますが、 灸は温熱効果や補 気(気を補う)作用だけではなく、艾に含まれるシネオールという物質には抗炎 症作用(炎症を抑える)があり、炎症を抑える効果も期待できます。
また、香りによる鎮静効果もあるとされています。